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向谷地:彼は浦河まで250kmの道のりを来たんですけど、実は昨日電話で「僕5時間かけて行くんですけど、川村先生はゆっくり話を聞いてくれる人でしょうか?」って心配して言ってて、「大丈夫だと思うよ」って返事したんだけどね。彼の言う「ゆっくり話を聞いてくれる」というのは、たった30分のことだったんですね(笑)。

川村:笑。本人は10分くらいを考えていたと思う。むしろ、こっちは彼の話が面白いから、聞いていたくてそうしていたんで、特に彼のために長くしたとか、そうじゃないんだよと。あなたの苦労は向谷地さんから聞いていた通り、すばらしいと。もう、浦河合格だなと。「遠いし、月1回でもいいから、こういう話を届けに来てね」と言ったら、もうニコニコしてたね。

向谷地:彼は、自分が今行き詰まっている生き辛さや苦労と、病院から処方される薬とが、何かおかしいと。病名も何か変だぞと。それで保健体育の教科書を読んだら、自分が今直面している苦労は自我の芽生えなんじゃないかと言う。その辺の探し方、もがき方というのは、統合失調症の人はあまりしないですよね。

川村:まさに、彼自身の診断の方が正しかったのさ。家では暴れてたらしいけども、「暴れる=精神障害」で、それで病院に行ったら、ちゃんと精神障害に見てもらえちゃったと。それを暴れないように薬で活動を抑制すると。どんどんパターンにはめられてしまう。そこには、息子を病院に連れて行ったお母さんの親心があるし、医者もそれを何とか助けてあげたいという、誠に全部善意なんだよ。本人も、こんな問題は起こしてはいけないという反省の心もあるし、表面的には間違ってはいないんだよね。だけど、少なくとも、医者がその話を聞いたときに、常に自分たちのやっていることに疑問を感じたり、周囲に意見を求めたり、その疑問が入り口となって何かが見えてくるようなアプローチをしなければならないのに、薬だけに頼ってしまうから、本人に周りからの声が届きにくい状況に陥ってしまう。だから、様々な場面で思うけど、医療者のわきまえというか、そういうものが問われてくることってあると思うね。

向谷地:普通、統合失調症という病名が違う気がする、出されている薬も今の自分の現実と合ってない気がするという彼の思いというのは、病気を認めないという点では一見すると否認なんだけど、否認ではないんですよね。肯定なんですよね。

川村:そうそう、すごくセンスのよいね。自分で問題を問題として受け止め、かつ周囲からの受け止められ方に疑問を持つというね、希にみるセンスのよさがあるね。浦河流に言えば、「人材」ですよね。



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