本田幹夫:「なんか俺、病気治った気がするんだよなー」
向谷地生良:「そりゃ大変だ!!」(笑)
2000年7月、愛知県から浦河に来た本田幹夫さん。
浦河に来る道中、父親の運転する車中で悪魔幻聴に襲われ、親子で「タァー!!」と戦ったエピソードで幻覚&妄想大会でグランプリを受賞した。
べてるに来てまもなく、悪魔は消えたが相変わらず妄想に襲われ続けた。
「いろんな被害妄想に襲われたりした。これでひとりでいたらずっとその世界だったと思うけど、ここではコミュニケーションがあるから確認できるし、共同住居に助けられたと思う」(本人談)
●回復の初期段階—回復に耐える時期—
悪魔幻聴が消え、世界を救うヒーローから一転して普通の病人に。虚しさだけが残る。
「悪魔の妄想とかなくなって、病状は落ち着いたんだけど、毎日が本当に虚しくて、生きてる意味はないんじゃないかとか考えて、何回も死にたくなった。今考えると人とのつながりが希薄だった。」(本人談)
●回復に耐えるためにした工夫
・人とのつながりのきっかけを持つためにデイケアに通った。
・べてるの「新鮮組」で働き、やりがいを得た。
●現在の状態
・今まではマイナスの妄想の言いなりだったけど、今は自分で考えるようになった。
・人とつながる感覚がわかってきた。
●最近の苦労
・彼女と結婚することや子供が生まれることを考えると、不整脈になる(結婚や出産の予定は特にない)。
●仲間からのアドバイス
・治ったと思ったら、ドーンとくることがあるから、油断しないほうがいい。
・薬は飲み続けたほうがいい。
「俺は、治ったのかなー?」
不安げに首を傾げる本田幹夫さん。
「向谷地」という"悪魔"が「治ったと思うなら、3日間薬をやめてみたらー」と囁いてくるらしい。。