第16 回当事者研究全国交流集会・第27回 べてるまつり報告

7月19日と20日、第16回当事者研究全国交流集会が浦河で行われました。この日はべてるの浦河でのイベントでは珍しく雨の日でした。

19日に行われた当事者研究全国交流集会は、午前中は東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生の講演と、「ツレがうつになりまして」の著者で漫画家の細川貂々さん(とツレの方)の講演がありました。今回は家族がテーマということなので、熊谷さんはこれまで私が講演であまり聞いたことのなかった熊谷さんと母親との関係に踏み込んで話されていました。熊谷さんの子供時代は「リハビリをしたら身体障害者の健常者のようになれる」と考えられていた時代だったので、熊谷さんは毎日何時間もリハビリを重ねていました。学校に入学する際にも、入学後は学校側は一切配慮しないという念書を書かかされていた時代で、毎日母親が付き添って登校したといいます。熊谷さん曰く、当時は世界と自分の間がゼリー状の「親」でくるめられた状態だったといいます。

貂々さんとツレさんは、壇上のホワイトボードに漫画を描きながら、掛け合いの形式で講演を行いました。貂々さんの口癖は「うまくいっている人はいいな」で。ツレさんの口癖は「いつになったら(うつが)治るのかな」でした。ツレさんは貂々さんから「治らなくてもいい」と言われたことが救いだったといいます。

お昼はポスターセッションでした。全国から30代以上の演題が集まり、発表者がポスターの前で自分の研究を紹介しました。

午後の部最初のプログラムは分科会でした。私は「家族会議」の分科会に参加しました。子育ての経験をしている。札幌なかまの杜クリニックのソーシャルワーカーの内田梓さん、写真家で「家族会議」を広めている江連麻紀さんに加え、元気な子供たちも前に出て研究発表をしました。後半はライブ当事者研究が行われました。

全体会の前には、フィンランドの心理士・経験専門家の方が最近のオープンダイアローグの実践報告をしました。オープンダイアローグは特に日本で注目が集まっていることもあり、みんな真剣に聞いていました。

1日目の最後は全体会でした。ポスター発表者、各分科会担当者、ゲストの総勢50名以上が一度に壇上に上がり、それぞれの報告をしました。

1日目の夜はべてるまつり前夜祭が文化会館ふれあいホールで行われました。余興でハーモニカを聞かせてくれた竹内海人さんは今回で3回目の参加です。前夜祭の終盤には来年の当事者研究全国交流集会九州大会の実行委員長の岩崎茜さんと会場とをテレビ電話でつなぐことができました。

20日に行われたべてるまつりは「べてるで育った子供たち~それで順調、大丈夫〜」をテーマとして行われました。今回はべてるのかつての子供たちで、現在親の立場になったメンバー、メンバーの子ども、浦河町の里親の向谷地家、川村家の親子らが壇上に上がり、わいわいトークを行いました。昨年生まれた松原朝美さんの子のみらいちゃんのことや、べてるまつりの2週間前におめでたであることがわかったべてるのメンバーの吉野さんカップルの紹介もありました。コメンテーターとして、前日に引き続きフィンランドのゲストも壇上に上がり、フィンランドの現状を話してくださいました。

午後最初のプログラムはべてるの1年間の活動紹介でした。最近のイチゴ作業や公益的活動の紹介もさせていただきました。

まつり最後のプログラムは恒例の幻覚妄想大会でした。今年のグランプリは2度目の受賞の佐藤太一さんでした。太一さんは、GHで「2階から飛び降りろ」という幻聴さんが来た時、2階からだと影をすると思い、1階のトイレの窓から飛び降りようとして、トイレの窓に体が挟まったそうです。その後はGHの中間に助けてもらって無事外に出ることができましたが、太一さんはすたすたと歩いて行ってしまいました。

今年もべてるの歌「花よ咲け」で締めくくられたべてるまつり。昨年よりも来てくれたお客様も物販の売り上げも多かった感触があります。来年のべてるまつりと当事者研究全国交流集会九州大会もよろしくお願いします!

(伊藤知之)

投稿者: bethel-net