配信 12.03
■第3回べてるセミナー in 仙台
講師
向谷地生良(北海道医療大学)
鈴木真依(統合失調症幻聴さんと私の共依存タイプ)
吉野雅子(統合失調症サトラレ型)
11月18日、仙台市青葉区にてべてるセミナーが開かれました。
浦河からは、向谷地生良さん、新人の鈴木真依さん、吉野雅子さんが参加しました。

べてる新人の鈴木さんは、初めての道外での講演です。
まず、自分の苦労のプロフィールを全国から集まった約80名の参加者に紹介しました。
鈴木麻依さんのプロフィールと当事者研究はこちらを参照
■ 自分の助け方の達人になる

地元では、死にたくなるとすぐに救急外来にかかり、薬を増やしてもらったり、入院させてもらったりして、自分を助けていた鈴木さん。浦河に来て約2ヶ月の間に「救急外来ではなく、仲間のところへ行き一緒に鍋を食べる」、「自分に起きている苦労を語るためにSAなどのミーティングに参加する」、「当事者研究ミーティングで苦労のメカニズムを研究する」、「直面している課題をSSTで練習する」などなど、自分の助け方にかなりバリエーションが出てきました。
今もまだまだ「実験中」です。
■努力してテンションをあげていた「死にたいサイクル」

セミナーのなかでは、当事者研究がライブで進行。
「実は、死にたい気持ちになっても、病院に向かっている車の中で、すでに気持ちは治まっていることが多いんです。でも、スタッフの人達に優しくしてもらって安心できるので、診察室に着くまでは何とか死にたいテンションを維持しなきゃと思って、頑張って『自分はダメな人間なんだ』とやってました。地元の病院は、浦河と違ってケアが手厚かったので。(笑)」
鈴木さんの「死にたい願望のメガにズム」がまた一歩明らかになりました。
■「死にたい」は「生きたい」だった

服薬や入院を繰り返して行くなかで、自分の言葉や感情が奪われていったときに、「自分が殺されている感じ」がしたと鈴木さん。その苦しさゆえに「もう死にたい」と思っていたが、それは「生きたい」という切なる願いでもあるよねという話に。
当事者研究のメンターである吉野さんもそんな「反転」を経験した。
「私も長い間、自分の思考や行動のすべてが他人にさとられているという“サトラレ”の苦労があったんだけど、同じ苦労を抱える仲間と研究した結果、それって孤独な自分を誰かにさとってほしいという願望が反転したもので、“サトラレ”は“サトラセ”だったという結論に至りました。」

『「非」援助論』のお気に入りのページを紹介する吉野さん
鈴木真依さんの研究は、これからも続いていく。。
■当事者研究の輪@福島県立医大
11月17日、福島県立医大で、当事者研究の取り組みに関する報告会がありました。
福島県立医大では、丹羽真一先生を中心に、いくつかの病院とクリニックで当事者研究が試みられています。
針生ヶ丘病院に通うIさんは、「仕事や役割を背負い込むと、焦って先々のことまでやってしまい、いろいろな問題をひとりで抱えこんでしまう」という「努力型つっぱり症候群」の研究を発表してくれました。
対処法として、「少し待つ」、「規則正しい生活と服薬管理」、「心に余裕を持つ」、「いい意味で適当に」を実践し、研究後は「つっぱしることを問題とせず、それでも良いと自分を受け入れる」、「自分にも人にも60%で接する」ことで以前より楽になり「適応型Let it be 症候群」として「なるようになる」と思えるようになったと報告してくれました。
松ヶ丘病院からは、「メンバーが症状について話せる場になった」、「困っていることが整理できるきっかけになりそう」、「当事者のなかで共通認識が生まれ、当事者のなかから具体的な対処法が生まれるのではないか」といった当事者やスタッフの感想などが報告されました。
また、鎌田クリニックからは、現場のPSWが感じた不安な点として、「専門家主体>当事者主体」、「悪いところさがし>良いところさがし」というところに陥る心配があるといった報告がなされました。

会場の様子。当事者や家族も多数参加していました。

それぞれの発表にコメントする向谷地氏
「福島でのこの取り組みは、まさに最先端です!べてるがある北海道でもまだまだこのような集会はできません。」