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当事者研究の部屋 トップへもどる
               
100錠のODと、4回の人工透析と、1週間の入院の末に復活しました。
多量服薬から生還したときの「生きているという実感」と、入院してて1週間ぶりに食べる食事のおいしさはクセになります。
※手に持っているのはラムネです。


苦労のプロフィール
短大卒業後、編集の仕事をしていましたが、仕事に行き詰まりを感じ、死神さんにジャックされ、多量服薬させられました。運悪く助かり、病院に一ヵ月半入院しました。
それから実家で過ごしていましたが、その後4回ほど、死神さんにジャックされ自分のコントロール障害に陥り多量服薬させられました。
パン屋の仕事が辛くて、自分の思っていること、どうしたいかが言えず、泣きながら家に帰り、プチODとして精神病薬を10〜20錠ほど飲むオーバードーズを毎週のようにしていました。飲むと、スタッフやメンバーが家に来てくれて、やめられませんでした。
最近の多量服薬は仕事がうまくいかず、すっきりしなくて彼氏の荒井さんと薬を100錠ほど飲みました。
荒井さんは、薬を吐いたため入院は一日ですみましたが、私は一週間入院しました。その間、人工透析を4回して、一週間何も食べれませんでした。退院後も二人ともなかなか体力が戻らなくて少しの外出でもひどく疲れたりしました。とても辛かったです。


研究目的
・さすがに10年も同じサイクルで多量服薬をしており、特に今回は荒井さんを巻き込んでしまったこと、そして、今回は手元に精神病薬がなかったことから、市販の薬を飲んで非常に苦しみました。

・周りに多大な迷惑と心配をかけてしまい、パン屋をクビになったり、予定していた取材がダメになったり、約束を破るはめになったり、デイケアを3ヶ月謹慎になったりして、すべてがダメになった。

・そんな結果を招いたのに何で二人して薬を飲んでしまったのか、そこに至るきっかけを解明したい、周りの人たちにも、私たちがなぜこんなことを選んでしまったのかを分かってほしいと思い、研究をすることにしました。


研究方法
・レッツ!当事者研究を読みながらと、ひだクリニックで行っている当事者研究の進め方を思い出し、自分で頭で考えて研究しました。向谷地生良さんや宣明さんにも手伝ってもらいました。

・同じようなコントロール系の苦労を持っているべてるの加藤木さんや西坂さんにも、意見を聞いて研究を手伝ってもらいました。


死にたくなる気持ち
まず、私はいろいろな苦労、辛いことがあっても、うまく頭の中で考え悩むことができず、すぐ「死にたい」と考えてしまいます。
この「死にたい」は非常に楽な思考で「仕事でミスをした」「眠れない」「人に馬鹿にされてる気がする」「酒が飲みたい」「お腹が空いた」などのあらゆる不満をこの魔法の一言で表します。
「死にたい」と繰り返していると、本当は「おなかが減った」だけなのに本当に死にたくなってくるから不思議です。


■自分のコントロール障害 魔球系の苦労
自分が思ってること、言いたいことが言えない
         ↓
魔球を投げる(「死にたい」、多量服薬 )
 
言葉で伝えることができないため多量服薬という魔球で周りに訴える。
本当はストレートを投げたい(自分の言いたいことをはっきりと言葉で言う)。


■多量服薬の良い点、悪い点
良い点 問題から逃げれる 問題について考えないので楽
    薬を飲んだと知らせることでみんなが心配してくれる。
    それで人とつながれる(気がする)
    すっきりする(気がする)
    自分がいかに追い詰められているかを知らせられる。
    
 悪い点 体に負担がかかる 
    医療費がかかる(今回、50万円位)
    周りに迷惑がかかる
    友達としていた約束を破ることになる(入院していて行けないため)





■薬をたくさん飲むということ
・薬の種類は何でもいいのですが、精神病薬のように、アピールできるものである必要があります。ビタミン剤などではだめです。

・量も適当です。あるだけ飲みます。飲みたい気持ちMAXが10だとしたら9ぐらいで服薬。タイミングを見てアピール効果を狙います。

・本当は飲みたくありません。飲まなくても、問題が解決されればそれでOKです。でも、そのほかの方法は「死にたい」というだけで、ほかに方法が見つかってない状態です。

・飲むことにより、自分のことを周りに気付かせる効果があります。関心を引くことができます。

・何も考えずに済むので助かります。問題を他人に丸投げできます。

・最終的な自分の満足度はマイナスです。でもやってしまいます。


■私の「誤作動」
研究していくなかで、同じようなコントロール障害系の苦労を持っている人からアドバイスなどをもらった結果、私にもどうやら「誤作動」系の苦労があることがわかってきました。

今わかっている私の誤作動の種類
・評価誤作動(他人に認められていない気がして死にたくなる)
・空腹誤作動(お腹が空いているのにそれに気がつかず死にたくなる)
・酒誤作動(飲みたいのに飲めないと死にたくなる)
・孤立誤作動(自分は世界で独りぼっちな気がして死にたくなる)
・仕事誤作動(「仕事できない奴」と言われているような気がして死にたくなる)
・美人誤作動(若くて美人の人を見ると罵られているような気がして死にたくなる)

カレー誤作動のエピソード
ある日、とても死にたくなって、向谷地生良さんに泣きながら「死にたい」と電話したら「誤作動」だと言われ、夕飯を食べていなかったのでカレーを温めて食べたら気持ちが落ち着いた。この時はじめて自分に空腹誤作動があることがわかった。

※べてるには調子が悪くなるときの「なつひさおチェック」という技があり、「な」は悩み、「つ」は疲れ、「ひ」はヒマ、「さ」はさみしいで、「お」は「お金」「お薬」と「お腹が空いたとき」です。


■これからの「自分の助け方」
・私にはまず「弱さの情報公開」が必要だと思います。自分ひとりで問題を抱え込み、抱えきれなくなった結果、丸投げしてしまいます。べてるで言う「日本語失調症」で言葉がうまく使えません。そのため、言葉で人とつながることができず、SOSを出したり、相談ができません。「自分を語る」という練習が必要だと思います。

・「お客さん」(マイナスの自動思考)や誤作動(お腹が空いただけで死にたくなるなど)に対する対処が必要です。お客さんや誤作動にジャックされ、自分のコントロール障害に陥ります。
仲間の力が必要です。人とつながって安心を得たいです。

・病気の苦労にばかりとらわれていて、自分の本当の苦労と向き合うことができませんでした。病気に逃げず、苦労を自分で持たなければならないと思いました。

・回復することとは「共生」と「協働」。それは、他者とつながることで生き延びるということ。他者にうまくつながることができず、孤立してばかりでした。やっぱり、人は人の中でしか生きれないと感じました。

・常に付きまとう圧迫、お客さん、誤作動、それらに「それで順調」と言えるように意識して、取り組んでいきたいと思います。

(小林絵理子)

Vol.028
多量服薬という名の魔球の研究

小林絵理子
自分のコントロール障害 誤作動系 魔球タイプ
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