top べてるねっと:知る べてるねっと:買う べてるねっと:仲間 べてるねっと:行こう! べてるねっと:お問い合わせ

当事者の力に支えられる精神科医療


浦河には、30年の精神保健福祉活動の歴史が育んだ浦河ならではのユニークな理念や考え方がある。


1.「病気の半分は病院で、残りはべてるで治す」
これは、精神科医や治療スタッフの大切にしているわきまえの一つである。
そこには、治療や回復とは、精神科医と患者の間だけで行われてはいけないという拘りがある。
精神障害をかかえる当事者の回復とは、人と人との〈つながり〉を回復することと同一なのだということを忘れず、病院はその関係を見失うような抱え込み方をしないことを大切にしている。
従って「先生のお陰で病気が良くなりました」と本人や家族に言われたら、その予後は良くないとさえ考える。
そこには、治療者も当事者も「勝手に治さない」「人の中で回復する」ことを重んじてきた伝統が生きている。

2.「〈苦労の取り戻し〉を助ける」
浦河における精神科の治療は、病気を良くすると言うことより、〈悩めるように〉〈苦労できるように〉という点を重視している。
べてるの家には「苦労を取り戻す」という理念がある。
治療の場でも、精神障害が生きるという苦労を忌避した状態とも言える状況から、本人が現実に降りるための手助けをするということが基本的となっている。

3.「無力のアプローチ」
〈「非」援助の援助〉とも言っているこの〈無力〉は、援助スタッフも当事者も共有している基本的な関係のイメージである。
特に、プロの条件として「自分の専門性から降りることをする人」という発想がある。
そこには、当事者が抱える現実に対する連帯の姿勢を重視し、回復を医師や関係スタッフの努力や治療・援助技術の成果と捉えず、共に探求し、見いだしていくなかで得られるものという立場がある。

4.「仲間を処方する」
救急外来に来て不安症状を訴え、薬や注射を求めてくる場合、ときどき薬や注射に代わって〈仲間〉が処方される。
「あなたが、今、一番必要なのは、薬ではなく、人のつながりであり、仲間の存在だと思うよ」と精神科医が〈仲間〉を処方するのである。
そこで、力を発揮するのがべてるの家の仲間の存在である。
〈仲間〉がピア・サポートを買って出てくれるのである。
〈仲間〉の処方によって脅迫的な救急外来受診を脱した人は多い。

5.「自己病名をつける」
浦河では、精神科医がつける医学上の病名よりも、自分の苦労の実感に沿った「自己病名」を大切にしている。
自己病名を見いだすことが回復のはじまりと言ってもいいほど、それは、大切な自分との出会いをもたらす。
しかも、その作業は、自分ひとりの作業ではなく、仲間と共にワイワイと行う「当事者研究」のプログラムを通じて見えてくるという体験をする。

6.「話すこと、語ることの回復支援」
浦河の特徴は「三度の飯よりミーティング」に象徴されるように、〈言葉で語ること〉を中心としたプログラムが盛りだくさんだ。
精神科医の治療も言葉を使った〈語り〉を促すことに力点が置かれ、薬がそれを邪魔しないことを大切にしている。

7.「病棟も地域の一部」
浦河では、浦河赤十字病院で行う治療プログラムとべてるの家で実施される地域生活支援プログラムの整合性と、相互活用を重視している。
そのために、べてるの家の支援スタッフやピア・サポーターが、いつも病棟にフリーパスで足を運ぶことが出来るようなオープンな雰囲気と、相談や情報交換を常に心懸けている。
また、デイケアもショートケアを中心に行い、浦河で活動する当事者がべてると病院の双方のプログラムを利用できるように工夫している。
デイケアでは、日常生活を送るための基本的な力を身につけ、べてるでそれを実践、応用するという役割分担をしている。

精神医療に必要なのは、当事者の力を前提とした「わきまえ」のある治療であり、援助である。
浦河にべてるの家をはじめとする「当事者の力」のネットワークがあることによって、その「わきまえ」は成り立ち、その「わきまえ」が、当事者の力を育んできたとも言える。

トップにもどる

研究室Indexにもどる

サイト管理・運営
McMedian CO.,LTD.
171-0022 東京都豊島区南池袋3-13-7 403
Tel 050-3351-3135
Mail e-mail@mcmedian.co.jp

Copyright ©2006, Bethel-net. All Rights Reserved.
| トップページ | 知る | 買う | 仲間 | 行こう! | お問い合わせ | サイトマップ |