メールマガジン「ホップステップだうん!」Vol.134(10月15日号)が配信されました。

近頃めきめきと寒くなってきましたね!
北海道ではさっそく氷点下を記録するところも出てきています。

そんななかでも、べてるメンバーは避難訓練で日高振興局までの坂道をえっちらおっちらとがんばって時間内に登ったり、お楽しみのバスツアーでアサヒビール園に行って焼肉食べ放題を堪能したりと、日々元気に活動しておりますよー。


ビール工場見学の後の焼肉食べ放題を楽しんでる亀井さんと佐々木社長です。


総勢97名がバス3台に分かれて、充実したバス旅行でした。またみんなでどっか行こうねー。

また、先日私たちは、関西当事者研究交流集会に参加するために大阪大学に行ってきました。
そのことは今回伊藤さんが今号のメルマガで報告してくれています。


来年の全国交流集会名古屋大会は9月16日(日)に決まったようです。およそ一年間、そこに向けて協力していきたいと思います。


メルマガ Vol.134 今号の内容は、、、

・続「技法以前」109  向谷地生良
当事者研究の臨床知 その6 <有意味感と希望>

べてるメンバーの松本寛さんが最初に入院したときの有名なエピソード:「やっと病気になれました」、その後講演会で「精神分裂病(当時)は友達ができる病気です」と語って話題に。
病むことの「意味」とはなにか → 健康生成論、当事者研究へとつながる。

・伊藤知之の「スローに全力疾走」 第78回
第2回関西当事者研究交流集会

10月8日、べてるメンバー・スタッフは総勢16名で、大阪大学豊中キャンパスで行われた第2回関西当事者研究交流集会に参加しました。関西の当事者研究は「つっこみ」が多様です。

・おすすめ書籍紹介
「ケアを開くシリーズ」(医学書院)の『中動態の世界 ─意志と責任の考古学』(著 國分功一郎)

『べてるの家の「非」援助論』や『べてるの家の当事者研究』や『技法以前』を出している医学書院の「ケアを開くシリーズ」から最近小林秀雄賞を受賞して話題になっている『中動態の世界 ─意志と責任の考古学』(著 國分功一郎)をおすすめします。

『中動態の世界 ─意志と責任の考古学』(著 國分功一郎)

『中動態の世界』を読むと、それまで確固としていた自分のなかでの枠が音を立てて拡張していって、そのヒビ割れた隙間から今までにはなかった種類の光が差して、さっきまで暗かった部分を明るくしてくれる、そんな感じがします。

「中動態」とは、「能動態(する)」でも「受動態(される)」でもない「失われた態」として紹介されています。

私たちは誰しもが「する」でも「される」でもない、重層的な自分や他者や環境の相互の影響のなかで、考え、行動し、生活しています。なのに、私たちを取り巻く世界では「能動」と「受動」のなかで、行為と意思と責任がつなぎ合わされて、理解され、裁かれていく経験もしています。なぜなのか。なぜ「中動態」は失われ、教わることもないまま、私たちは生きているのか。詳しい解説はとてもできないのですが、ぜひ本を読んでみてほしいと思います。

とりわけ統合失調症というのは、そうした「中動態」的な経験にあふれています。

幻聴が「聞こえる」。「聞く」のでも「聞かれる」のでもなく、「聞こえる」幻聴さんに身体をジャックされて、やりたくもないことをさせられる。行為しているのはたしかに自分だが、それは乗っ取られ操られているような感覚のなかにあります。

その意味では、「当事者研究」というのは、そうした「思うように思考できないし、行為できない私」を一般の共通感覚や精神医学の下で埋没させたままにせずに、「研究」という形で発掘を試み、その行為や意味や苦労の形を明らかにしようとする営みのようにも思います。

べてるでは、数年前から木村敏先生と交流があります。京都に行ってみんなでお話しもさせていただきました。木村先生の著書はとても魅力的だけど、私たちが読みこなすにはなかなか難解だったり、知識が及ばなかったりしていました。しかし、今回その一部分が少し解けたような気もしています。

木村先生の言葉に「他人と通底している非人称的な自発性」というものがあります。この前後には、一度も「中動態」という言葉は登場しませんが、これは「中動態」的な理解ができるものだと思えば、少し分かるような気もしてきます。

それから木村先生は、「みづから」と「おのづから」ということを頻繁に仰います。「みづから」は自発、「おのづから」は自然に、という感じでしょう。『中動態の世界』でも「自然の勢い」が中動態の根底にあるという記述があるのは偶然ではないかもしれません。

ちなみに、木村先生は、統合失調症とは「おのづから」の部分が本当は自己の重層性を支えるものとして自己性を帯びていなければいけないんだけど他者性を帯びてしまうのです、と言っています。『中動態の世界』を読んだ今ならちょっと分かる気がします。

べてるでは昔から「勝手に治すな自分の病気」と言っていますが、きっとここともつながってくると思います。病気が他者性を帯びた「おのづから」(自然の勢い)だとすれば、回復もまた他者性を帯びた「おのづから」なんですよ。回復は「非中枢的」「非主意的」にやってくるんです。ほんとに。

参考:「精神看護」2010年11月号 (通常号) ( Vol.13 No.6) 特集1 当事者ならわかる、木村敏。

(↑メルマガ本編ではもうちょっとだけ感想が長いです。)


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【2015/10/15 Vol.086〜2015/11/15 Vol.088】
【特集「仏教と当事者研究」第二弾
釈徹宗 (浄土真宗本願寺派如来寺住職)× 向谷地生良
進行役 一ノ瀬かおる(漫画家)

【2013/06/15発行】Vol.030
・統合失調症学会in浦河 イブニングセミナー
「飲まされる薬、飲む薬」
川村敏明(精神科医)、山根耕平、本田幹夫

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投稿者: bethel-net