統合失調症学会 in 東京 当事者研究シンポジウム


sc201503273月27日、東京・千代田区で第10回統合失調症学会が行われました。統合失調症学会は、2013年に浦河でも行われた学会で、今回は「統合失調症におけるリカバリーの実現と当事者研究」というシンポジウムが行われるということで、浦河からも向谷地さんと、山根さん、伊藤さん、浅野さんらメンバーが参加しました。

当事者研究は世界の最先端?


シンポジウムの座長は、向谷地生良さんが務めました。
はじめに、福島県立医科大学会津医療センター精神医学講座の丹羽真一先生より「当事者研究は日本発・世界先端の治療パラダイム」と題して、当事者研究の精神保健福祉における今日的な意義についてお話しがありました。丹羽先生は長年、福島はもとより、日本の精神科医療をリードしてきた有名な先生です。

今回のお話のなかでは、「当事者研究というのは、当事者主体のアプローチを具体化したものであり、『説明と同意』との先を行く『体験的発見型・自身納得型の同意』にもとづく、日本発・世界先端の治療パラダイムを実現したもの」と説明されていました。そのなかで強調されていたのは、陽性症状(幻覚、幻聴、妄想などの症状)に対するアプローチとして当事者研究の役割が期待されているということでした。
今後の課題としては、医療のなかでの位置付けやエビデンス(科学的根拠)の積み上げをどのように行っていくかという点にあるということです。

シンポジウムのなかでは千葉県流山のひだクリニックからメンバー2人が暗殺組織に追われているという感覚のなかで全国各地を逃げ回っていた「逃亡サバイバルの研究」や世界的な秘密結社に生活が妨害されているんじゃないかという「統合失調症陰謀論タイプの研究」を発表されました。べてるからは山根さんが「昔の苦労がよみがえる苦労の研究」と題して、浦河での10年以上の活動を振り返るを発表しました。
妄想や幻聴などの経験は、なかなか人にわかりやすく伝えることが困難です。今回発言したメンバーそれぞれが、そうした苦労と生活のなかでの実践的を「研究」という形で、わかりやすくダイナミックにまとめていました。

今後、なかなかつき合いづらい幻聴や妄想などの経験を持ちながら暮らしていくためのひとつの考え方として、当事者研究は専門家や医療者の間でも関心を引きつけるものになっていきそうです。

より詳しい内容は、編集とまとめが出来次第、メールマガジンやベテルモンドなどでご紹介したいと思います。

 


投稿者: bethel-net